爪水虫と見分けがつきにくい爪カンジダ症とは?
カンジダ症とは?
カンジダ症とはカンジダ菌による感染症のことです。
カンジダ菌は、健康な人でも、皮膚や口腔内にもともと常在している菌で、普段は病状は生じることはありません。
しかし、高温多湿の環境下であったり、体の免疫力が低下しているときなどに、病原性を引き起こすことがあります。
皮膚、爪、粘膜、内臓など、あらゆる臓器に症状が現れますが、その中で爪にできたものが、爪カンジダ症です。
爪カンジダ症
(出典:田辺三菱製薬様)
爪カンジダ症の症状
爪の周囲が赤くなったり、腫れたりするのがカンジダ性爪囲炎です。比較的症状は軽く、痛みもあまり出ません。
酷くなると、カンジダ性爪炎に移行して、爪の波状の不整形が見られるようになったり、変形したり、色が濁ったりしていきます。
さらに症状が進んで、カンジダ菌が爪の内部にまで寄生すると、爪カンジダ症になります。
爪水虫の症状と似ていて、爪カンジダ症になると、爪が厚くなったり、白濁したりします。また、カンジダ性爪甲剥離症といって、爪の先端部が剥がれてきたり、ボロボロと欠けたりすることもあります。
爪カンジダ症の治療
爪カンジダ症を治すには、カンジダ菌が増殖しやすい、高温多湿の環境要因を改善することが前提となります。
また原因が、体の免疫力の低下や糖尿病の場合は、それらの治療や改善が望まれます。
そしてカンジダ菌を殺す抗真菌薬の飲み薬で治します。
治療期間は6か月以上かかるとされていて、1年以上に及ぶこともあります。
症状が軽い場合は、抗真菌剤の塗り薬だけで治る可能性もあります。
爪カンジダ症の予防
爪カンジダ症を予防するには、手を洗ったときや、水仕事の後などには、水分をふき取りしっかり乾燥させることが大切です。高温多湿の環境を作り出さないことが重要です。
また、妊婦さんは体の免疫力が低下していることがあるので、注意が必要してください。
その他のカンジダ症
カンジダ性間擦疹
頻度が多く、女性によく見られます。
高齢で腰の曲がった方や、肥満でシワの間が蒸れやすい方に症状が起こりやすいです。また、オムツ部カンジダ性は高齢の方や、赤ちゃんにも多く見られます。
カンジダ性指趾間びらん症
指の股がさけたような症状が起こり、水仕事の多い方、飲食業、美容師などに多く見られます。
足の指にも見られ、足が蒸れやすい方や、長靴を履いて作業されている方にも発症しやすいです。
妊婦さんが気を付けるべきこと
妊婦さんは、体の免疫力が低下しやすいことに加えて、栄養不足やホルモンバランスの影響で、爪がもろくなりやすくなっています。
感染症にかかりにくくする意味においても、手足をしっかり洗って清潔に保つことや、水が付いたときにはしっかり乾燥させること、また、免疫力の低下を招かないよう、体調を整えることを、日々意識していただきたいと思います。