妊婦さんが爪水虫を完治させるのに必要な期間は?
爪水虫の飲み薬での治療|治癒率と治療期間、デメリット等
ご存じのとおり、爪水虫を治すには、飲み薬を使うのが一般的です。
しかしこの飲み薬、肝機能障害の副作用が出たり、胎児への悪い影響が出る可能性を考えると、妊婦さんには使用しないことになっています。
ちなみに、飲み薬での爪水虫の治癒率は70~80%と、とても高い値を示しています。また治療期間は爪が完全に新しく生え変わるまでの期間(足の爪は1か月に約1.5mm伸びるので、4か月から1年くらいでしょうか)となります。
飲み薬でも治らない20~30%の人の理由は、
- 爪甲剝離の状態である場合、薬の有効成分が爪床から爪に行き渡らないため
- 爪母に障害があったり高齢になったりすることで、爪自体が伸びない状態にあるとき
- 薬の副作用による肝機能障害で、服用が続けられない場合
- 患者自身が薬の服用を続けられず、やめてしまった
などがあります。
それにしても、体の中のほんの小さな’爪’という部分の水虫治療のために、肝臓への機能障害にビクビクしながら、薬の全身投与を行う飲み薬での治療という治し方も、なんだかなぁと感じてしまいます....
爪水虫の塗り薬で治療
妊婦さんでも使える塗り薬は、2014年に科研製薬から発売されました。【クレナフィン爪外用液】です。
爪という厚い鎧を身にまとった爪水虫に対しては、体のほんの小さな部分の治療にも関わらず、今までの塗り薬では歯が立たなかったので、爪を剥がして直に薬を塗るか、爪の上からYAGレーザー治療(保険適応外)で熱でもって白癬菌を殺すしか、局所的なアプローチはなかったんですね。
そんな中開発された日本初の外用爪白癬治療剤が【クレナフィン爪外用液】なのです。
有効成分は科研製薬で創製された、トリアゾール系化合物であるエフィナコナゾールで、
- 爪白癬に対して、高い殺菌力がある
- ケラチンとの親和性が低く、爪甲での透過性に優れている
- 爪の表面に塗ると、爪甲や爪床において、殺菌作用がある
(出典:旭川皮フ形成外科クリニック様)
要するに、クレナフィンは爪の主成分であるケラチンに吸着されないので、有効成分が爪の中や下にまでしっかり浸透して、効果を発揮できるという訳です。
クレナフィンの治癒率
クレナフィンの治癒率は17.8%なので、飲み薬に比べると相当落ちますが、妊婦さんや、肝機能に問題がある人にとっては、従来のように爪を剥がして薬を直に塗ったり、保険適用外のレーザー治療をすることを考えれば、試してみる価値はありますよね。
クレナフィンの使い方
1日1回、入浴後か患部をきれいに洗った後に塗ります。
下図のように爪だけではなくて、爪と皮膚の境目にもしっかり塗ることが大切です。
(出典:旭川皮フ形成外科クリニック様)
クレナフィンの副作用
クレナフィンの副作用は皮膚炎です。肌荒れを起こすことがあります。
そもそも爪水虫治療の外用薬ですから、爪の下の白癬菌をやっつけるほどの威力を持っていることをお忘れなく。
液垂れした場合や、皮膚に付いたときは、速やかにふき取ってください。
塗り薬での治療期間
クレナフィンでの治療期間も、爪がすべて完全に生え変わる期間と言っていいと思います。(4か月から1年くらい)
治癒率が17.8%ということなので、1年も続けてみて、効果が無ければ、潔くあきらめたほうが良いかもしれませんね。